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  • Hodie cantandus est nobis puer きょう、この子のことを歌いましょう ― さや堂で聴く 中世のクリスマスのうた 10~12世紀の英国とフランスの典礼音楽

Hodie cantandus est nobis puer きょう、この子のことを歌いましょう ― さや堂で聴く 中世のクリスマスのうた 10~12世紀の英国とフランスの典礼音楽

2022.12.25(日) 18:00 開演 〜19:15(終演予定)

千葉市美術館

この公演は終了しました

コンサート概要

ジャンル
: 合唱
プロ (クラシック)
1000年前のクリスマスの日、西洋の教会ではどのような歌が響いていたのでしょう。
録画も録音もない遠い昔のことですから確実なことは分かりません。けれども当時の人々はその音楽を何とか書き残し伝えるべく、テキストの上に工夫を凝らした記号を用いて音を表そうとしました。これが楽譜の始まりです。そのやり方は現在の楽譜とはずいぶん異なったものですが、今に生きる私たちにも多大なインスピレーションを与えてくれます。また同時に、時代とともに少しずつ現代の楽譜に近づく記譜法を読み解き比較しながら、古(いにしえ)の響きを今によみがえらせる試みに、私たちは日頃から取り組んでいます。
10世紀から12世紀は中世ヨーロッパの教会典礼音楽の歴史の中で、グレゴリオ聖歌をはじめとする単旋律の音楽からポリフォニー (多声音楽) が生まれ育まれた時代でした。その形は現在の合唱というイメージとは異なり、基本的に聖歌隊 (Schola スコラ) が単旋律の聖歌を歌う中で、卓越した先唱者 (Cantor カントル) がほぼ即興的に対旋律を加え、それが発展したのだと考えられています。また時代だけでなく地域の違いも作風に大きく影響しているようです。今回は11世紀英国の町ウィンチェスター、そして12世紀フランスのアキテーヌ地方で書かれた作品を取り上げました。どちらも独特の印象をたたえており、私たちの耳を楽しませてくれる美しい作品ばかりです。これらの歌が教会の豊かな響きとあいまって聖堂を満たし、クリスマスに一層の輝きを与えたことでしょう。
千葉市美術館内にあるさや堂ホールは、千葉市の有形文化財であるとともに、西洋の大聖堂と同じような豊かな響きを持つ素晴らしい会場です。このような場所で、合唱音楽の源泉ともいえる中世ヨーロッパの教会典礼音楽を歌えることは私たちにとって大きな喜びです。そしてこのユニークで魅力的な音楽をぜひたくさんのかたに聴いていただけたらと願っています。クリスマスのこの日に、1000年の時の流れに思いを馳せながら、美しい響きを持つさや堂ホールで中世音楽に耳を傾ける…。そんな特別なひとときを過ごしてみませんか。 

プログラム

グレゴリオ聖歌
シビュラの預言
ウィンチェスターのクリスマス・トロープス集より
キリエとグローリア
アキテーヌ・聖マルシャル修道院のオルガヌムとヴェルスス

出演者

声楽:
夏山美加恵
安邨尚美
新井道代
井上美鈴
寺村朋子
早川幸子
望月桂子

その他の情報

千葉市美術館
https://www.ccma-net.jp/